LMUのドイツ法のLLMのコースで必修とされている外国人のための公法・刑法・民法の講義には、LLM(法学修士課程)の履修生だけでなく、Promotion、Zertifikat、Erasmusの学生や、聴講生が来ています。Promotionというのはいわゆる博士課程のことで、ドイツではPromotionで博士号を取った後初めて、大学の教授資格の取れるHabilitationに進むことができます。Zertifikatというのは、LLMやPromotionのような学位は取れないのですが、登録した科目について試験に合格すれば、その科目の履修証明書が取れる学生のことをいうようです。そして、Erasmusというのは、EU加盟国内の大学間の交換留学制度で、たとえばフランスのソルボンヌ大学の法学部の学生がLMUで勉強して単位を取ると、そのLMUの単位はソルボンヌの単位として認められるというシステムになっています。それから、学位も単位も取れないけど、逆に試験を受ける必要もなく、自分自身の勉強あるいは趣味の一環として講義を聴きにきている聴講生もいます。LLMとPromotionの学生は、基本的に自国で法律の学位を取っていることが入学条件なのですが、それ以外の学生・聴講生は必ずしも法律の学位を持っているとは限りません。
中でもErasmusの学生は、まだ学部の勉強の中途で留学しているわけですから、正直言って子供っぽいところが多々あります。相当数のフランス人学生がErasmusで来ているのですが、彼らは授業中のおしゃべりが多くて、正直イライラさせられます。ところが、このフランスErasmus部隊は何かと注文も多いようで、法学部の外国人留学生の窓口であるFrau Dr. Bのところに、「民法の授業がわからない。講師の教え方が悪い。」という苦情を何度も出しているらしい。先日の民法の授業中には、フランスErasmus部隊から「刑法と同じように、民法の補講としてアルバイトゲマインシャフトAGを作るよう嘆願するので、署名お願いします。」という紙が回ってきました。民法のAG、もちろん、あればいいとは思いますが、実際にAGが出来たところで、フランスErasmus部隊が本当に出席するのかどうか、怪しいもんです。なぜなら彼らは刑法のAGもあんまり出てないし、Frau Dr. B担当の「口頭試験準備コース」の授業も、必修でないせいか全然出ていません。Frau Dr. Bは、この民法に関する苦情を受けて、「口頭試験準備コース」でやる内容を民法を中心に組みなおしてくれたのにもかかわらず、です。
私は自分が理解できないとき、それは自分に力がないためで、自分の責任だから、予習・復習をしたり、さらに参考書を読んだりして、自分で勉強してついていこうと思います。私だけではなく、日本では、何か不都合があったとき、まず人の責任を追及するんじゃなくて、最初に我が身を振り返って自分で改善できるところから始めようと考える人がどちらかというと多いと思いますが、海外ではとにかく自分のせいじゃなくて相手が悪いというところから、スタートする人が多いような気がします。これは、ベルギーの大学院にいたときも、こちらのドイツ語学校に通っていたときも常に感じていたことですが・・・。でも、そういう考え方は、本当の意味で自分のためにならないような気がします。遠回りでも自分が努力することの方が、先々自分のためになるような気がするんですけど・・・。
つーか、まず授業中のおしゃべりをやめるところから始めよう!と、私は言いたい。
半分影になってますけど、LMU本館前の歩道に埋め込まれた白バラ運動のビラのレプリカ