最近、ここを訪問してくださる方の中には、法律ドイツ語の略語、というキーワードで検索した結果、ここに辿り着いた方がちらほらいらっしゃるようです。
ドイツ語の法律関係の書籍の一番最初の部分には、必ずAbkürzungsverzeichnisという略語一覧表があり、その本の中で使われている略語が書かれていますが、日本でドイツ法を勉強中で、ドイツ法を扱った日本の書籍の中で略語が出てきた場合、その意味を調べるのはとても大変だろうと思います。
ということで、もっとも一般的な略語についてまとめておこうと思います。ただし、ひとつひとつに日本語訳はつけませんので、省略前のドイツ語はご自分で辞書を調べてください。
a.a.O.=am angegebenen Ort
(同じ文献を何度も引用する場合、脚注にいちいち書かないで、前掲書という意味で2回目以降の引用時は脚注にこれを書くことがありますが、a.a.O.は使用するな、という教授も多いです。確かに、読み手には不親切な略語です。)
Abs.=Absatz
AcP=Archiv für die civilistische Praxis
a.F.= alte Fassung (vgl., n.F.=neue Fassung)
Alt.=Alternative
ABI.=Amtsblatt
Anm.=Anmerkung
Art.=Artikel
(条文番号にArtikelが使われている法律は限られています。代表者はGrundgesetz。それ以外の法律は条文番号は§=パラグラフになっています。法律の条文を引用するときに、Art.と§を取り違えるのは致命的なミス。)
Aufl.=Auflage
Bd.=Band
BGBl=Bundesgesetzblatt
BVerfGE=Entscheidung des Bundesverfassungsgerichts
ders.=derselbe
dies.=dieselbe
(ders.とdies.は、Schrifttumsverzeichnis=引用文献一覧表を作るときに、同じ著者の異なるタイトルの文献があるとき、著者名を省略するために書くことが多いですが、こういう省略も教授によっては嫌う人がいますから、要注意。)
Diss.=Dissertation
(Dissertationは論文の一種ですが、必ず新しい見解、意見、提案、発見が含まれていないといけません。それ以外の論文はArbeitと呼ばれています。)
EG=Europäische Gemeinschaft(en)
EUGH=Europäischer Gerichtshof
f., ff.= folgende, fortfolgende
Fn.=Fußnote
Halbs.=Halbsatz
(法律の条文の言及には厳格が求められています。§XXX, Abs. 1, Satz 1, Halbsatz 1 BGBという具合に、ピンポイントで書かなければなりません。)
i.S.d.=im Sinne des/der
i.V.m.=in Verbindung mit
lit.=litera
n.Anm.v.=mit Anmerkung von
m.w.N.=mit weiteren Nachweisen
Nr.=Nummer(n)
Rdnr.=Randnummer
(教科書やコンメンタールなどの場合、ページ数だけでなく、まとまった段落ごとに欄外番号が振られています。欄外番号はRandnummer以外にもいろんな呼び方があり、私の指導教授は、一貫してRz.=Randzifferと書く主義です。)
RGBl.=Reichsgesetzblatt
s.=siehe
S.=Seite
Slg.=Sammlung
u.a.=unter anderem
vgl.=vergleiche
VO=Verordnung
Ziff.=Ziffer
zit.=zitiert
各法分野ごとにさらに固有の略語があるので、ここに挙げたものはほんの一例です。また厄介なのが、学術雑誌のタイトルも略称されることです。これも、各法分野毎にあまりに膨大なので、とてもここには書ききれません。一例を挙げると、DBというとDeutsche Bahn(鉄道会社)を思い浮かべますが、Der Betriebという雑誌もDBと略称されます。文献を探すときに、こういう略語がわからないと、読みたい論文に辿り着けなかったりします。